パン工房ろーずまりー

第6回『フェアトレードを学ぶ~ちばの団体訪問編~』では、船橋市のおいしい地域のパン工房ろーずまりーさんを訪れました。

パンやお菓子づくりそして内職などを通して、障がいを持った人々の働く場づくりに取り組むNPO法人しーど代表金子和則さんがお話してくれました。

 

パン工房ろーずまりーのパン作り〉

 

今回はお昼過ぎのパン工房にお邪魔してきました。スリッパで玄関からあがるスタイルは、まるでお友達の家に遊びにきたようなアットホーム感!

 

 

パン工房ろーずまりーは、一般就労は難しいけれど、福祉支援を受けながら働いたりスキルアップしたいと願う障がいを持った人たちが一緒に働く、障害者就労支援事業所です。

パン工房という看板どおり、お伺いした日も、10種類以上の美味しそうなパンが並んでいました!1日だいたい12種類くらいのパンを、季節にあわせて焼いているそうです。

そんなろーずまりーが大切にしているのは【誰がつくっても美味しいパンになること】。誰が焼いてもいつでも美味しいパンになるようにたくさんの工夫をされていました。例えば... 

パン屋さんと聞くと「朝が早い」イメージがありますよね。

ろーずまりーでは、一緒に働く仲間が朝無理なく出勤してパンが焼けるように、冷凍パンとタイマー付きの機材などを最大限に活用されていました。朝出勤した時に、タイマー付きの機材のおかげでパン生地は発酵まで終わっていて、あとはオーブンに入れて焼くだけの状態になるよう工夫されたそうです。働く仲間の時間を大切にできる作り方の工夫をしたことで、今は利用者さんだけで作業ができるほどになったそうです。そうして焼きあがったパンは、棚で冷やして袋詰めをして、シールを貼って仕分けをされています。

 


 

〈焼き菓子工房べりぃ2784、ミャンマーとつながるお菓子作り進行中〉

 

パン作りのお隣では、クロワッサンをラスクにしたり、フロランタンなど、たくさんの種類豊富なお菓子作りを、"焼き菓子工房べりー"として取り組まれています。

特に凄技だったのは、クッキーなどのお菓子に文字やイラストをプリントできる技術!

ロゴなどのデザインデータをもらえばそのままお菓子にプリントできちゃうそうです。

すごいですね!

  

そんな創意工夫のお菓子作りの中で生まれた画期的なウェルフェアトレード製品が、ミャンマーのそば粉を使ったその名もそのまま【 ミャンマー産そば粉クッキー 】。
ミャンマーの麻薬と貧困の撲滅、そして船橋の障がい者の就労支援にもつながる、世界にも地域にもgoodなすごいクッキーです。

ミャンマーのそば粉は、NPO法人アジア麻薬・貧困撲滅協会を通して仕入れているそうです。1997年のJICA事業として、信州大学氏原教授が麻薬の原料となるケシの栽培をしてきたミャンマーの農民たちにケシ栽培の代わりにそばの栽培技術を指導し4年かけて収穫までできるようになったものだそうです。JICA事業終了後も氏原教授はNPO法人を設立しミャンマーの農民の支援を継続されているそうです。

そんな取り組みを聞いて、このそば粉での商品開発に真っ先に手をあげたんだ、と金子さんはお話しくださいました。そして時を同じくして、金子さんはウェルフェアトレードの講座にも参加し、まさにこれからやろうとしていることがウェルフェアトレードそのものだと実感し、そしてSDGsの達成にもつながっていく広がりが見えたそうです。

 

今までのパンやクッキーなどの取り組みでは、他の福祉作業所との差別化も難しく、バザーなどで出しても100円程度の安いものから売れていく状況だったそうです。一方で、高くても付加価値あるものを購入してくれる場所があることにも気づき、マーケットの棲み分けをして高くてもいいものを購入する層に販売できるもの作りに挑戦しようとされています。

このそば粉クッキーも、何度もパティシエの方と工夫を重ね、やっとの思いで、べりぃ2784らしいサクッとホロホロ食感のクッキーに行き着いたそうです!

米粉を使ったグルテンフリーにもなっていて、アレルギーをお持ちの方でも食べられるクッキーというのもさらに嬉しいですよね!

 

私もこのミャンマー産そば粉クッキーをいただきましたが、そばの風味が優しく感じらて食感も絶妙、今度はギフトにして他の人にもこの感動を伝えたい、そんな風に思える素晴らしいクッキーでした!今度ギフト発送のお願いをしてみようと思っています。 


 

〈ミャンマーの花蜜糖を使ったさらなる挑戦〉

 

さらに、金子さんは、ご縁のあったACインターナショナルが留学生が母国に帰ったあとで協働して取り組み始めたミャンマーの農民支援としての椰子の花蜜糖でも、商品開発を始められています。ミャンマーの花蜜糖と、日本の伝統文化でもある琥珀糖をあわせたお菓子作りに挑戦されているそうです!商品化まで大変そうですがとても楽しみですね!

これも、日本にもミャンマーにも貢献できるすてきなギフトが生まれそうですね!

 

訪問当日はACインターナショナルが作ったマンゴーゼリーや椰子花蜜糖ゼリーも取り扱っていらっしゃいました。昔なつかしさとアジア感があわさったゼリーでした!

 

どんどん新しい付加価値ある製品開発を「美味しい」ことを大切にして進めているNPO法人しーどさんの取り組みに今後も目が離せません!



 

 

  

パン工房ろーずまりー https://umaipanya.com/

(運営:NPOしーど) 11時頃からパンが焼き上がるそうです

千葉県船橋市田喜野井3-5-1(TEL:047-404-3745)

営業日 月~金(祝日はお休みです) 営業時間 10時~16時

 

 

店舗・工房は、住宅街の中にあります。

大きなのぼりと、緑の看板が目印!仲間手作りの看板でお出迎え。

工房で焼きあがったパンをその場で販売しています。

パンが焼きあがるのは11時頃から。

 

お気軽にお立ち寄りください。

 

 

 

 

(記事作成:2021年11月14日 成瀬悠)